【松本春野新刊絵本情報】トットちゃんの15つぶのだいず 2023年7月24日発売

『トットちゃんの 15つぶの だいず 』
原案 黒柳徹子 文 柏葉幸子  絵 松本春野
2023 年 7 月 24 日発売 定価:1600 円(税別) 講談社

世界で 2500 万部(!)を超えるベストセラー『窓ぎ わのトットちゃん』。 トットちゃんことユニセフ親善大使の黒柳徹子さんは、戦争を忘れないようにと、毎年、終戦記念日に音楽と語りの催し、ハートフルコンサートを続けています。

2022 年のコンサートでは「戦争の最後のほうでは、 1 日の食べものが大豆 15 つぶだけだった」というお話 をされました。 そのエピソードを聞いた編集者さんの一声から、もう一つのトットちゃんのお話、トットちゃんの戦争体験の絵本化が進みました。

戦争の始まる前と後、楽しく幸せな生活が一変して、「さむいし、ねむいし、おなかがすいた」がトットちゃんの口ぐせに なってしまいます。

一日の食べ物として 15 つぶの大豆しか与えられない 親の気持ち。

そんな辛い戦争の中でも、家の玄関で家族の姿が見えると「みんな生きていてよかった!」と心から喜ぶトットちゃんの姿に、もう二度と戦争の中で苦しむ子どもたちを生み出したくないという思いが強くなります。

文章は「霧のむこうのふしぎな町」などの柏葉幸子先生。 
柏葉先生の原稿を、当時一年生だった娘に読み上げたところ、ボロボロと大粒の涙をながし、次第にしゃくり上げてしまいました。それでも一生懸命最後まで聞いてくれました。
柏葉先生の原稿は湿っぽくなく、トットちゃんの愛嬌をうまく文字にしてくれています。
戦争の辛さがしっかりと伝わる中に、子どもの本来持つ明るさや希望も感じる素晴らしいものでした。

私自身、絵を描こうと原稿を読むたびに涙が込み上げて、それでも、トットちゃんという誰をも照らしてしまう太陽のような子どもの明るさに救われ、その姿をしっかり絵に描くことで、平和への願いを込めようと努めました。

黒柳徹子さんとも何度か長電話であの戦争の中のトットちゃんの思い出を共有させていただきました。「なんでも聞いて」、徹子さんのこの一言に「しっかり語り残したい」という平和と子どもへの強い思いを感じました。

祖母いわさきちひろの挿絵のトットちゃんを、私は描いてもいいのだろうか、
描けるのだろうか、
メージを壊してしまうのではないか、
そんな葛藤と不安がありました。
でも、このエピソードは絶対に出版した方がいいと確信があったので、腹を決めてお引き受けしました。

絵を送ると、徹子さんから「なんてかわいいの!本当にかわいい!」とこちらの心が浮き立つような言葉が返ってきました。
明るくて優しくて温かい褒め言葉!こんな嬉しいことはあるでしょうか。
ああ、描いてよかった。
本当によかった。

「トットちゃんの15つぶのだいず」
 
自信作として世に送り出します!