伊勢PART3 〜竹内浩三について〜

私は学生時代に、文字通り穴があくほど読んだ本があります。
それは伊勢出身の若き詩人、竹内浩三という人物についての本、
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(本書で稲泉さんは史上最年少で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞!パチパチパチ!)
たしか書き手の稲泉さんは当時20代半ば。
その中に書かれている竹内浩三も、当時の読み手の私もちょうど20歳前後。
(※竹内浩三は第二次世界大戦の最中、23歳の若さでフィリピンで戦死しました)
ちょっと大げさだけれど、
この本を通して、生まれた時代も場所も違う同世代の二人の若者が、日々生きることについて、社会について、平和について一生懸命向かい合い、考え抜いていることに、当時の私は何よりも感動したし、勇気づけられたのです。
お調子者だけど、ひょうきんで憎めない浩三に、思わず頬ずりをしたくなったり、
彼の感性の鋭さ、そして激動の時代をしっかり見極める目に度肝を抜かれたり、
25歳の若さで、竹内浩三と彼が生きた時代を書き切った稲泉連さんには言い知れぬリスペクトの念を抱き、
「私は将来この人と結婚したい!」と、激しい思いを胸に、眠れぬ夜を過ごしたこともあったような(笑)
大好きな本はとにかくみんなに紹介したい!という質で、
ハマった当時は、家でも大学のアトリエでも、竹内浩三の詩の広報活動にせっせと勤しんでいました。
竹内浩三についての本は岩波からも出ています。こちらも本当に素晴らしい本です!
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で、なんでこんな話を今更ブログに書くかというと、
そんなに大好きだった竹内浩三をこの世に再発掘した故NHKの西川勉さんの妹さんが、なんと、私の伊勢の講演にいらしてくださっていたのです!!!もちろん面識ゼロ!!!
その衝撃から、わたしは自分の講演内容に関係がないのに、浩三についてベラベラと語ってしまったのは言うまでもありません。。。
そうしたら、会場にはちょうど伊勢市内の図書館で竹内浩三の展示を担当していた方もいらっしゃってて、これはもう偶然の重なり。
途中から、竹内浩三宣伝部長に成り代わって任務を全うしました。
浩三の詩も、いわさきちひろの絵も、方法や形は違えど、私たちに大切なことを教えてくれることには変わりありません。
少々おこがましいですが、私が描いていきたいと思う世界も、この二人の先人たちと同じ方向にあります。
一歩一歩、地道に形にしていけたらと思っています。
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