伊勢PART2 〜たけのこ保育園での読み聞かせ〜

講演の翌日は、みやがわ書店さんに連れられ、
伊勢市内のたけのこ保育園にて、2歳児から5歳児への絵本読み聞かせ。

読み聞かせ前に0歳児のお部屋を訪ねると、ちょうど先生による読み聞かせの時間でした。

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まずは手遊びで赤ちゃんたちの注意を集めます。
そして『おひさまあはは』を読み聞かせ。
言葉はわからなくても、おひさまや動物があははと笑っている顔は0歳児にもわかります。
先生の読み聞かせる絵本のページをじーっと見つめ、赤ちゃんたちもあはは。
絵本の世界がきちんと伝わっていることに感動しました。

長年絵本や紙芝居の読み聞かせをしているみやがわ書店(※現在HP制作中です)の橋村孝子さんから、読み聞かせのときの注意点を教えてもらいました。
(※橋村さんはその地道な活動が近年認められ、文部科学省から表彰されました。書店を経営しながら講演活動も行っています)

1、演技したりパフォーマンスをしながら読まないこと!

読み手が演技することによって、絵本の世界が限定されてしまいます。
何もないところから無限の想像力を広げるのが子ども。
そんな彼らの邪魔をしないためにはゆっくり強弱をつけながら、心を込めて読むことが大切です。

2、読んでいる最中に、質問や意見が出ても相手はしない!

何も読み手が言わないことでさらなる子どもたちの発見や想像が広がります。
そして声の大きな子以外の子どもたちも、みんなそれぞれにいろんなイメージを広げています。

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これらをふまえた上で絵本を読むと、見事に子どもたちから、様々な意見や発見が出てきました。

絵本への意見で対立した子ども同士、ケンカがはじまったり(笑)、
画面に描かれていないものまで想像して教えてくれたり。

大人には見えないものがたくさん見つけられる子どもたち。

みやがわ書店の方々の読み聞かせはすばらしく、子どもだけでなく、大人の私もすっかりお話の世界へ引き込まれてしまいました。

4歳、5歳児には、私の作品『絵本おとうとⅡーはじめての学校』の読み聞かせ。
まだちょっと難しいかな、と不安になりながら読み始めると、
ここはたけのこの子どもたち、知らない言葉もきっちり聞き取って「だっしふんにゅうってなぁに?」と不思議顔。
主人公のてつろうが悪態をつくところでは一緒に「うるせぇ」と声を出してくれる子も。

読後のうれしい第一声は「Ⅲは?」でした。
そのあとに続く「Ⅰも読んで!」の声に、急遽予定になかった『絵本おとうと』も読むことに。

たけのこの子どもたちに、「来年はⅢを持ってこられるようにがんばります」と大きな約束をして帰ってきてしまいました(⌒-⌒; )

子どもたちと食べる給食は最高においしくて、
ほんの短い時間にも、ひょうきんな子、恥ずかしがりやの子、いたずらが大好きな子、おうたが上手な子、いろんな子どもたちと接することができ、とても幸せでした。

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みんな絵本が大好き。

お昼寝前、それぞれが好きな絵本を持ってきて、自由に読んでいる姿を見ると、絵本作家としてうれしさがこみ上げてきました。

たけのこ保育園での経験は、わたしにとってかけがえのないものとなりました。

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今回の突然の企画に快く対応してくださったたけのこ保育園の先生方、
そしてオーガナイズしてくださったみやがわ書店さん、本当にありがとうございました。