『ノノちゃんとママのおはなし』松本春野 著(清流出版)Amazonにて予約開始

2019年11月20日前後に発売予定の新著
『ノノちゃんとママのおはなし』が、Amazonにて予約開始しました。
帯はありがたいことに、中江有里さんが書いてくださいました。
4歳になった娘の成長記録や、母親になってから自分が直面した様々な体験を交えたフィクションの絵物語です。
巻末エッセイと、森を舞台にした18の短い物語。全編カラーの、絵を楽しみながら読める本となっております。
ご興味のある方はお手に取って頂ければ幸いです。

〜巻末のエッセイより〜

私は、幼い頃から、子どもの本が持つ、あたたかい日向のような世界が大好きでした。そこでは、チョウが舞い、小鳥が歌い、カエルは友達です。子どものちょっとした成長が大きなドラマとして語られる平和な世界、誰もが裸足で歩けるやさしくて安全な場所。

そんな世界の子どもたちは、自由奔放で、泣いても笑っても、いじわるしていても魅力的。いつだって生き生きとしています。彼らを見守る母親たちは、決まって笑顔を絶やさぬやさしい人たちでした。お裁縫もお菓子作りも上手で、なにがあろうとも、子どもを守り抜く本物の強さを持つ女神さま。平和な家庭を脅かすような言動・行動とは一切無縁の人々です。

そんな女神たちに、ぼんやり憧れてはいたものの、出産後、いざ、自分があの女神とはかけ離れた母となってしまうと、現金なもので、大好きだった子どもの本の世界に君臨する完璧な母たちや、家族を、遠い存在に思うようになりました。

雑誌『清流』の編集部から、「子どもをテーマに自由な作品を」と、見開きページ連載のお話をいただいたのは、娘がまだ、ヨチヨチ歩きの1歳8ヶ月の頃。大人向けの雑誌という事もあり、この機会を活かして可愛い子どもだけでなく、神格化されていない母親の日常も、絵本テイストで描こうと決めました。「かくあるべき」から離れた親子の物語を欲していた自分自身へ、毎月のプレゼントになるような、あたたかい日向の物語。

子どもと同じように、喜怒哀楽があり、自分の欲求に正直で、時には誰かを傷つけることもある、そんな人間らしい等身大の母親が、この世界の見守り役でもいいではないかと開き直り、はじまった『ノノちゃんとママのおはなし』。

フィクションも混じっていますが、これは娘と私のささやかな成長記録でもあります。