京都太秦物語のポスター

山田洋次監督、阿部勉監督、松竹のスタッフそして立命館大学の映像学科の学生で作った映画『京都太秦物語(きょうとうずまさものがたり)』という映画のポスターの絵を描かせていただきました。

うずまさポスター.jpg

この作品は、京都の太秦(うずまさ)という町にある大映通り商店街の人々の物語。
太秦とは、昔、東洋のハリウッドと呼ばれたほどの町で、今でも松竹撮影所や東映撮影所などでたくさんの映画が生み出されています。
テレビやインターネットの普及から映画産業も昔の活気を少しずつ失い、それとともにこの町の人たちの生活も変化してきました。
実はこの映画の出演者は数人の俳優をのぞいて、あとは全部この大映通り商店街の人々。
ドキュメンタリータッチで描かれる映像の中には、セットでは到底作り上げられない、その町の歴史や人間の生活の匂いが漂っています。
商店街のクリーニング屋さんの家の中や、豆腐屋さんのお昼時、日本人の私でも目にすることが初めてのものばかり。
学生さんたちは一年かけて、この大映通り商店街をリサーチし、商店街でアルバイトをしたり、家族のように家に上がらせてもらっては、お酒を飲んで語り明かしたりしたんだとか。
そんな中で大映通り商店街と立命館学生撮影チームは信頼関係を築いてきたと言います。
その関係が出来上がった上で、松竹の少しの大人のスタッフが参加して撮影が始まりました。
この映画は、山田洋次監督の『おとうと』とともにベルリン映画祭にも招待されました。
ベルリンの舞台挨拶で、プロデューサーの山本さんの「この映画は松竹という映画会社だけでは絶対に作れなかった映画です」という言葉を受けて、会場は学生たちへの拍手に包まれました。
この映画は私の予想を遥かにこえて、ベルリンの人々に受け入れられたのです。
いつまでもいつまでも鳴り止まない拍手の中で完成試写は幕を閉じました。
私はベルリンという街で、この映画を通して、今までの自分の「映画の見方」を見直すことになりました。
それについてはまた後日。
『京都太秦物語』のベルリン映画祭での様子が、今日のNHKBS1「BS今日の世界」23:10〜23:50頃で放送されます。
もしご興味があればご覧ください。
『京都太秦物語』の公開日は下記の通りです。
5月22日(土)MOVIX京都で独占公開
その後順次、他地区公開予定!