『ぼくのうまれたところ、ふくしま』(仮題)制作中

震災10年目に、もう一度ふくしまの絵本を描く機会をいただきました。

この震災とその後を間近で見続けてきた福島県の新聞社、福島民友さんと共に、震災伝承プロジェクトとして、浜通りの避難と帰還を描いた物語を制作しています。

福島県内でも、被災の形は様々です。一つの物語を描くことで、描ききれないものが一つ一つあぶり出され、悔しい気持ちもあります。
どんなにお話を伺っても当事者の体験は追体験できません。他者の物語であることを忘れずに、それを題材として扱うことに恐れを持ちながら、この作品に向き合おうと思います。

10年前の今日、たくさんの方々の命が奪われ、暮らしが破壊されたこと、その後、無理な避難を重ねたことで原発関連死があとをたたなかったことなどを忘れずに、今日もあの震災から地続きの1日として、粛々と過ごそうと思います。