【松本春野イベント報告】「バスが来ましたよ」トーク&ワークショップを絵本のまち 有田川にて(ワークショップ内容書いています)

先日、12/27まで「バスが来ましたよ」の原画展も開催している和歌山県有田川町にて、トークとワークショップをやってきました。
NHKでも和歌山県のニュースとして放送してくださいました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20221129/2040013238.html

★ワークショップの内容
「バスが来ましたよ」の声がけと、背中を手に添えて…
聴覚(呼びかけた声、聴こえた声)、触覚(添えた感触、添えられた感触)、その時の気持ち、これらに合わせて画材を選び、各々絵を描きました。
100人いたら100通り。
手を添えるだけで、緊張のあまり「バスが来ましたよ」の声が出ないことだってあるでしょう。
添えた手は、優しいあたたかさと緊張の震えがあるかもしれません。
その時の気持ちを描くならどんな絵?一方で、その手で背中を触られた人の感覚や気持ちは?
形も自由、塗り方も自由。
このワークショップでは、その時の感覚に合った色や筆圧や形を探りました。

出来上がった作品は、全員全く違うもの。
迷いなくペンを紙に走らせる子、最後まで悩んで描けない子、描いたけれど絵を見せるのが恥ずかしい子、それら全部が自分らしい表現であるという話もしました。
描くことはコミュニケーションの一つ。自分や他者を知る手段でもあります。
「上手に描く」が、絵の正解ではないことが少しでも伝わればいいなと思いました。

絵本のまち 有田川(ありだがわ)には、大きな子どものための図書施設「地域交流センターALEC」があります。

絵本や漫画、本をたくさん揃えた図書施設には、ゆったり一息つけるcafe、外を駆け回ることができる広い敷地、絵本の原画展を毎月やる「ちいさな駅美術館」。原画展をやっている作家のワークショップイベントも頻繁にあります。
外壁や塀には訪れた絵本作家さんたちのペインティングがたくさんありました。

子どものためのライブラリーって、これだけの工夫が必要なんだ、と思い知らされました。絵本の里けんぶち(北海道剣淵町)でも、充実した絵本を取り巻く環境づくりに圧巻された記憶があります。
興味や集中力が切れても、本以外のものにアクセスでき、またその逆もあり。外で遊んでいた子がふと疲れたからと館内に入り絵本を手に取ることができる施設。その行き来を許容できる空間と大人たちが揃っているのはなんとうらやましいことでしょう!
見守る環境が揃った中で、絵本を読みたいときに子ども自身が手に取りにいける有田川町、子どもたちの未来が広がる、そんな町でした。

有田川町はどのように20年で「絵本のまち」に変化したのか。立役者の杉本和子さんが教えてくれた、“最後の授業のつづき”のようなまちづくりの話