装画 挿絵:『心を抱きしめると子育てが変わる』著/荻原光(主婦の友社 )

2017/7/20発売『心を抱きしめると子育てが変わる』著/シャローム共育相談室 荻原光(主婦の友社)の装画と中のイラストを描きました。

この本は、15年前に大ヒットしたもので、その復刻版です。

本の中に、「楽しい気持ちのやりとり」が大切というおはなしがありました。
印象的だったのは、著者の失敗談として、凧揚げを親子で楽しもうとしたときのこと。
子どもは凧が揚がっているかも確かめずに、ただただキャーキャー言いながら引きずって走っているだけ。
見かねた著者は、お手本を示そうと凧を取り上げ、パパに手渡します。
風が弱い日で、なかなかあがらず低空飛行を続ける凧。
パパは悪戦苦闘しているのに、子供はさらにキャッキャ言いながら飛びつこうとする様子に「ダメ!さわるな!」とイライラが絶頂に。
苦労して凧を揚げたときには、子どもはすっかり興味を失っていたというお話です。

このとき、凧を引きずって走る子どもに「何やっているんだよ〜」と大笑いしながらかけっこを楽しめていたなら…
凧に飛びつこうとする子どもに、「そうはさせないぞ!」とイジワルごっこしていたなら…
幸せな時間を逃してしまったという後悔を語っていました。

映画を観に行って、それがもしつまらなかったとしても、気の置けない友達と、あーだこーだ言い合う時間は幸せです。
それこそが、「楽しい気持ちのやりとり」なのだと。

あぁ、本当にそうだな〜と、しみじみ。

立派になってほしい、やさしい子であってほしい、集中力をたかめるには…など、親の希望を押し付けるより、その時その時の、楽しい気持ちのキャッチボールが、長い人生を生き抜く上では、何よりも大切だと教えられた気がします。