小学校用教科書の表紙 – 道徳〈平成30年度〉/教育出版


ー 子どもたちの多様さと、一年を巡る四季の風景は、似ている気がします。多種多様な命があるからこそ、この世界は美しく、豊かであり続けます。教科書という学びの場が、より色とりどりで自由であることを願い、この6枚の表紙絵を描きました。子どもたちがこの教科書のどこかに、自分の居場所を見つけ、お気に入りの一冊になってくれたなら、関わった者として、この上ない幸せです ー〈表紙制作に込めた思い (教育出版PR誌)〉

 

平成30年度 小学道徳ーはばたこう明日へー小学1年〜6年の教科書表紙(教育出版)を描かせていただきました。

表紙絵を描くことになった時、編集者とたくさん話し合いました。

この教科書の表紙の中では、「いい子」ばかりを描くというのはやめましょう。」これが私たちの結論でした。

かけっこが早い子、苦手な子、転んだ子、そんな子を気遣う子、
女の子、男の子、性別なんて気にしない子、お母さんやお父さんが外国から来た子、みんなで遊ぶ子、一人で遊ぶ子、ガハハと大口を開けて笑う子、すぐに涙があふれる子…

とにかくたくさん描きました。

 

学校という場が、誰が良い子で誰が模範的か、そんな窮屈な価値観から自由になって、「良い」の定義や範囲をどんどん広げていってくれたらうれしいです。

実は私も、教育出版の教科書で育ちました。祖母いわさきちひろが描いた国語の表紙絵を見るたび、気恥ずかしさと嬉しさを覚えました。こうして、今、教育出版の教科書に自分の絵が使われる日が来るとは、幸せな巡り合わせです。多謝。

 

《教材中の作品》
◯教育出版の小学校6年の道徳教科書中にて、黒柳徹子さんの、今のユニセフの活動に繋がるエピソードが綴られた『父の言葉』というエッセイの挿絵を描きました。

◯学校図書株式会社の道徳の教科書小学6年に、教材として自著『おばあさんのしんぶん』が使用されました。