泥の河、NNNドキュメンタリー

昨日、仕事の関係で、小栗康平監督の「泥の河」という古い映画を観ました。

この映画は、静かで悲しくて、派手なところは一つもないのだけれど、観終えた後に、その時代を想像し、登場人物のその後に思いをはせる、そんな風に広がっていく作品でした。
舞台は昭和31年の大阪。それは ” もはや戦後は終わった ” という風に言われた時代でした。
大阪の川べりに住む、貧しい人々を描いた作品です。
泥の河.jpg
お話は子どもたちが軸となって進むのですが、子どもたちへの演出が秀逸で、目が離せませんでした。
ちょっとした言葉使いや、幼い仕草、ふとした表情で、当時の生活や、時代背景など、実に多くのものが、見事に語られているのです。
チビっ子たちの演技はぎこちなくても、小栗監督が、彼らにやらせようとしている演出の意図は十分に伝わってきました。
きっと、この監督は、子どもを心から大切に思い、理解しようと、日々彼らをを見つめている、そんな優しい人なのでしょう。
悲しい映画だけれど、監督の優しい眼差しが伝わってきて、不思議と絶望的な気持ちにはなりませんでした。
とても身近なものを繊細に捉え、丁寧に描くことで、大きな社会や哲学が見えてくることってあるのだなぁ、と。
こういう表現は、劇画的でドラマチックな表現に比べると地味に見えがちだけれど、とてもスキルがあって、思想のある人でないと、できないものなんだろうなぁ、とも思います。
尊敬する人がまた一人増えました。
その後、
日テレの裁判官ドキュメンタリーでフォーカスされていた長沼事件の裁判を担当した”福島重雄元裁判官“も尊敬する人に追加。この人もすごい!!!!

彼の本『長沼事件平賀書簡35年目の証言』を読んだあかつきには、感想文をブログに載せます。
毎日すばらしい人や物事の存在を知っていけて幸せだなぁ。
滅入ってしまうことばかりの世の中で、
そういう人や物事の存在は、本当に希望だなー。