戦場でワルツを

昨日、「戦場でワルツを」という1982年に起きたパレスチナ難民キャンプでの大虐殺をテーマにしたアニメーションドキュメンタリーの試写を観てきました。

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先週末に、ちょうど「縞模様のパジャマの少年」という、第二次世界大戦下のドイツでのユダヤ人強制収容所が舞台の映画をみたばかりだったので、とくに考えさせられました。こちらもとてもいい映画です。
戦場でワルツを」は、11月末にシネスイッチ銀座にて公開です。
この映画の優れているところは、実際にこの戦争で戦った兵士たちや、悲惨な戦況を報道し続けた記者などに、直接ビデオを回しながらインタビューするドキュメンタリーを一度撮ってから、アニメーションに起こしたこと。
ビジュアルはイラストレーションでも、登場キャラクターの声は、本人たちの肉声だということに衝撃を受けました。
実際の映像であったら、私は思わず席を立ってしまったかもしれません。観ている側が拒絶してしまうような壮絶な回想を、アニメ化することで、監督は、戦争の悲惨さや反戦メッセージをより多くの人々に伝えられると確信したのではないでしょうか。
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この映画はイスラエルで制作されたものです。
イスラエルという国の中に、この映画を作ろうと思う人々がいるという事実に、
彼らが、こういった問題作をイスラエル国内で作ったという勇気に、
多くの外国の映画人たちが賞賛の嵐を送りました。
それが、数々の国際映画賞の受賞、アカデミー賞外国語映画賞ノミネートという結果につながったのだと思います。
この映画の宣伝を担当している配給会社クレストインターナショナルのKさんが、こんな話をしてくれました。
「この映画、正直、日本ではなかなか買い手がつかなかったんです。
外国賞をたくさんとっても、重い戦争がテーマで、レバノンという、日本人にあまりなじみのない国が舞台だから。
でも、バイヤーさんがね、売れなくても、こういう映画を日本に持ってくることは必要なんじゃないかって、そう言って、悩み抜いた末、買ってきてくれたんです。売りにくい映画だな、とじりじりと感じたのですが、私たちも、やっぱりこういう事こそ伝えなければいけないんじゃないかって。」
日本の映画人が必死で伝えようとしている作品です。
いろんな宗派や機関の軍隊が関係している複雑な戦争なので、映画自体、とても難しいのですが、パンフレットが本当によくできていて、見終わった後の疑問にことごとく答えてくれていました。
クレストのKさんに、このパンフレットは、どこの編集プロダクションが作っているのか聞いたところ、「うちの会社でやっているんです。宣伝するからには、その作品をしっかり理解しなければいけないということで。」と返ってきました。
えーなんなの?クレストインターナショナルって!!たった4人の会社で、すごい立派、超誠実!!と、ことごとく感動。
この映画の宣伝企画で、各界の方々が、「WALTZ with PEACE」というロゴを入れた一点ものの手描きイラストのトートバッグを作って、チャリティーオークションで売るそうです。その収益を国連の難民支援機関UNHCRへ寄付するという企画に、私もイラストレーター松本春野として、参加のお声がけを頂きました。
著名でない私のイラストトートに、誰がお金をつぎ込むんだ、って話ですが、、、。
でも、とても光栄です!一生懸命描きます!
過去に、多くのアジアの国々を侵略し、南京大虐殺などを経験した日本という国でも、この映画が広く見られることを心から願って。